心の凝りを解きほぐすもの

気持ちが明るくならない。憂鬱でたまらない時に見た顔の絵。
あやちゃんの作品。パソコンのマウスでかいたもの。
この八つの表情を見ているうちに、こちらの心がほぐれていくのが解った。
私の顔はこの八つの中のどれに該当するのだろう?
息子は?娘は?どれ?
自分の顔、人の顔、おっかない人。

この作品に描かれているように、人の顔を単純にそして記号化していくと、
人と人との世界で起こる苦悩もちっぽけなものに見えてくる。

自閉症だと言うあやちゃん。
本来自閉症の子供は表情を読み取ることが難しいらしく、
お母さんが意識的に遊びなどで表情を教えたことが、
この作品を生み出したきっかけになったとのことであった。
彼女は、21歳のお嬢さん。
言葉では表現できないものが絵に託されていてとても面白い。

お母さんは自立に向けて作品をカードにしたりと色々工夫している。
4枚1組100円のポストカード(自閉症くらし応援舎TOUCH)、
私は1枚100円で売ってもらうこととした。
私の心にもっと強く訴えかける作品であって欲しいとの想いから、
「ポストカードの端に印刷してあったものを大きく拡大して・・・・・」と注文した。
面白い色彩感覚。ユニークなイラストの数々。好きな図柄をいくつか頼んだ。

これまで目にする事のなかった作品が、
こちらの魂に刺激をあたえてくれる。不思議で心地よい感じ。
子供がえがくものとも違う、プロの作家のものとも異なる
何かが彼女のデジタルアートに存在する。
作品に重厚感が増せばもっと良くなると思う。

2つのギャラリー

けやき通りには、前回紹介した“ギャラリー尾形”の他にもギャラリーがある。
ギャラリー尾形”の道路はさんで反対側。
ギャラリーモリタ”・・・・前身は香月画廊。

そこを訪れたのは多分10年ぶり。
香月画廊時代も良い作品はたくさんあったが、
その頃の様相とは一変、もっと心をゆさぶる作品があった。

小林健二の作品だけを扱っている。
一人の作家に絞り込んでギャラリーを営んでいる森田さんには頭が下がる。
ミクストメディア作品の数々を眺めながら、
レオナルド・ダビンチのような科学的な側面をもった作家だと感じた。
ちょっと衝撃・・・・

今を生きる若者に是非みてほしい。
そうもがく自分の胸中を誰が察することができようか。
その犠牲になるのはいつも我が家族。
親の価値感を押しつけるのは、子供にとって、さぞ迷惑とは思うが、
子供達の夏休みの自由研究のテーマはここで見つかるはず。
“ギャラリー尾形”と“ギャラリーモリタ”のはしご。
最初は私だけ、子供、そして夫へと・・・人の輪をひろげる。
ある意味自己満足だ・・・。

このギャラリーも五恵さんの個展の際に知った。
彼女の個展を通して、実は三重の喜びを味わっていたのだ。

2つのギャラリー、誰かの詩じゃないけれど・・・・・
どちらも違ってどちらもいい。