ギャラリーSHOP侑(宮崎県川南町)

川南町の古いお店にあるのは、
親しみやすく可愛いらしい絵として誰でも知っている岩崎ちひろ。
当時、心をうきうきさせる作品はとても少なかった。
だからこそ、1980年代に登場したヤマガタ・ヒロミチ作品には驚きがあった。

ギャラリーショップ侑

ギャラリーSHOP侑。今年2月オ-プンしたばかり。窓からのぞくと
白い額縁に入った版画(シルクスクリーンかラバーポイントか)。
作者はヤマガタ・ヒロミチ(ヒロ・ヤマガタ)。
金閣寺に色鮮やかな花、風船を持った人たち。
このお店の雰囲気によく合っている。

ギャラリーSHOP侑店内

1990年前後からあちこちで個展が開催され、
版画なのにその高額さに驚きもした。
そんなイメージがつきまとって今に至るけれど、振り返って考えてみると、
お茶の間をパアッと明るくする作品の代表格だったのかもと思う。
高鍋町のブレインという喫茶店には初期の作品があって、
店内を明るく楽しい感じにしている。

バブルの象徴のイメージはぬぐいされないけれど、
普段の風景をあんな表情にして描くのはヤマガタ・ヒロミチならではのもの。
近年新しい作品が日本では紹介されていないが、
もう二度とあの手の作品を描く事はないだろう。
作家にとって大衆が支持した作品が、
あんなべらぼうな金額で売買されたのは、不本意な事だったはずだし。
そう考えると、時代が生み出し国内に広く流通された作品も
今となっては懐かしく、貴重なのかもしれない。

金閣寺

個人的には初期の作品から現在の作品まで通してみてみたい。
売るために描かされたものでなく、
本当に表現したいと思って製作した作品も存在するだろうから。

例えばアルフォンス・ミュシャは、
サラ・ベルナールをモデルにしたポスターで一世を風靡し、
今もその当時の作品が強調されるけれど、描かれた時期はとても短い。
みんなが知っているのはその頃の作品。

なんだかこの二人どこか類似点があるなぁと口に出したとたん、
「私ファンなんです。」と言いながら、
お店のおねぇさんがミュシャのポストカードをたくさんだしてくれて、
そのタイミングの良さにびっくりした。
アートの話で花が咲き楽しい瞬間だった!

ミュシャの回顧展はたびたび催され理解も深まるが、
ヤマガタ・ヒロミチのものはない。
あれだけ売れたのだからあってもいいのじゃないかな。