友達に誘われて、喫茶店に入った。
自宅の近所にあり、その前を通り過ぎること約20年。
その店に入るのは初めてだった。
友達は、顔なじみの奥さんとカウンター越しによく話していたが、私は初対面。
注文したスパゲティナポリタンとコーヒーがくるまでの間、目のやり場を探した。
唯一集中できるものは、壁にかけられた二枚の絵だった。
レリーフ上に描かれた厚塗りの油絵。
”青い薔薇”と”ひまわり”
サインはそれぞれ
”神”とローマ字で”kami”と言う風に記載されていた。
一見派手、でも純粋。
眺めれば眺めるほどすいよせられる。
これが最初の印象だった。
結局、この店で何時間もの時間を費やして、絵とおしゃべりをした。
もっとも注文した料理・飲み物が、この上なく美味しかった事は記しておきたい。