いい絵に巡り会いたい

宮崎の県美術展を見に出かけたときのこと。
日本画、洋画、イラスト、抽象画、壁一面 無秩序に展示されていた。
いろんなパターンの絵が自分の視界に一気に入ってくるから面白い。
作品数が少ないと言う事情もあるのだろうが、ちょっと新鮮だった。
主催者側で絵の配置を考えているのだろうけど。

が、どの絵が良いかとなると話は別。
絵が訴えかけようとするテーマは解る。
しかし技術不足なのか、感覚が研ぎすまされてないのか。
一枚一枚、何度と無く眺めるものの、
満足するものが見つからなくて、いささか消化不良気味。
人物画も風景画も物足りない。

何で?
例えば樹木・・・大地に根を張った様を描いたもの。
樹木を通して見上げた空の様子等々。
きっと自然の姿に感動したにちがいない。

しかし、私は感動を作者と一緒に共有したいわけではない。
その絵をして自然の偉大さ心地よさを感じ取りたいし、
人物であればその人の内面までみてとりたい。
そして、どう生きるのか示唆するような作品に出会いたいと切望する。
表現方法は抽象・具象問わずなんだっていい。

Tree

美術館や芸術劇場を取り巻く並木や落ち葉の表情、
肌で感じる風の心地よさを超える作品には出会えなかった。
兵藤和男の”森”という作品が恋しくてたまらなかった。

不況の象徴?縁起物

街を歩いて、必ず目のするものがある。
店に飾られた縁起物。
フクロウ、招き猫、恵比寿様、ほてい様、パワーストーンと
いわれる石のたぐい、色々・・・・・
見方を変えれば現代の世相を反映したものともとれる。
昔は陰をひそめていた品物の数々。
今は溢れんばかり。

いやなことをはね除けて
上昇気流に乗りたいという人々の思いがそこにある。
縁起物を一同並べ一枚の絵に見立てると・・・・
大衆を魅了する現代アートの出来上がり。