どうやって、絵を頭の中で組み立てるのか。
ただ言葉だけで表現した紙をべたべたと張った個展を
1960年代初期に開催した人がいた。
オノヨーコ
絵は視覚に訴える物というのが一般的な見解ではあるが、
この人の表現は違った。
言葉を頼りに何かを創造し頭の中で組み立てるのだ。
実はこのタイトル、書店で目にして手に取った本だった。
オノヨーコ著 淡交社
思わず本の中身をめくった。
絵を頭の中で組み立てるための指示が書いてあるだけ。
絵という対象物で見る側を縛るのではなく、
頭で創造させる自由を与えていた。
凄い美術書。
思わず買ってしまった。
あれから12年たった今も大切にしている。
新聞にオノヨーコの記事が掲載されたことがあった。
戦後の苦しい時期、空を見ていたという。
空の表情は幾通りも変化する。
これを”空のコレクション”と表現していたが、
彼女の言葉には創造力を駆り立てる力がある。
オノヨーコという人は偉大な芸術家だと思った。