御利益アート?

絵やポスターを低価格で売っているギャラリーがあった。
本物志向で高い絵画を購入するのもいいが複製画も悪くない。
実際に掛けてみると部屋の雰囲気が変わっていい気分になる。
複製画になるものは世で言う名作が大多数。
マネ、ルノアール、セザンヌ、ダリ、ピカソ・・・・・・・。
色、筆のタッチ、重厚感といったものは本物でしか得られなだろうが、
絵の骨格も言える構図の素晴らしさは伝わる。

ゴッホ-ひまわり

眺めていくうちに面白いことに気づいた。
例えば富士山の絵は運気上昇とか別の絵は商売繁盛。
こういう言葉を目にすることは良くあることだが、
あのゴッホの『ひまわり』の絵(額縁に入った小さな複製)の宣伝文句に驚いた。
「ひまわりの黄色は金運をもたらします。商売繁盛間違いなし。」というような内容。
ゴッホが生きていたらきっと驚くだろう。
御利益的な宣伝文句は、先行き不安なこの時世の反映とも言える。

パブリックアート散策5(ピラミッド・ジャポネーズ・博多?)

最後の野外アートは、博多の作品で締めくくり。
これはピラミッド型立体アートの一面。
博多山笠。
西島伊三雄氏の絵がかわいい。
童心に戻れる。

博多の祭り

博多祇園山笠

ピラミッドといえば、
ルーブル美術館の入場口のガラス張りのピラミッドをイメージしてしまうが、
先に作られたのはどちらだろう。
実はルーブルが1989年、博多は1986年完成と
こちらのほうが先に作られていたのでした。
ルーブルがピラミッド・フランセーズ・パリとすれば、
こっちはピラミッド・ジャポネーズ・博多?

身近な野外アートを色々眺めたが、
一つ疑問に残った事があった。
多くのアートは作者名が記されていたのに対し、
これは制作当時の市長の名前がやけに目立ったこと。
何年、何十年経過したとき、人はアートを目にして、
制作当時の市長に興味を覚えるか。
それとも制作者に興味を覚えるか・・・?
私なら制作者と答える。

そして、パブリック・アートをどこに置くか?
意見を言わせてもらえば、
テーマ、作者の制作意図に合わせるのが一番だと思う。
適材適所。くつろげる所には、くつろげるものを。
例えばヘンリー・ムーアの母子像は、
駅周辺より親子がゆっくりと過ごせる場所がいい。

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しかし、名作と言えども時として物議をかもし出すこともある。
あのアメリカの現代アーティストのリチャード・セラの作品は、
マンハッタンのダウンタウンに設置されたが、
景観を乱すと言うことで、後になって本人の手により撤去された。

福岡でも問題がないわけではない。
以前、キース・ヘリングの作品を移動したいが、
移動場所がない旨の内容を新聞で目にした。
しかし、今のところ場所は変わっていない。
(見る者からすれば、うれしい。
 不便な所に引っ越しでもされようものなら悲しくてたまらない。)
要は環境との調和が大切と言うこと。