絵筆をなめると・・・・

小学校の時の担任は美術教師。
鉛筆の芯をなめながら絵を描いていたのを不思議に感じていた。
同級性の中にも同様の行為をする者がいた。

芯をなめる理由は何なのか。
漠然とではあるが、その答えを探していた。
子供時代のことで、結果は出ずじまい。

絵を濃くする手段だったのだろうか?
絵描きの叔父のアトリエに行くと描きかけの絵がたくさんあった。
絵の具の独特のにおい。とても好きにはなれなかった。
絵筆をなめるという光景を目にすることもあった。
しかし、そのような行為が、
体にどのような影響を及ぼすのか考えるには至らなかった。

田舎に戻った時、近所に絵描きがいるらしく、
その人の風貌についてばあちゃんが、
「あの人は絵筆ばかりなめてるから歯がぼろぼろだ」と言っていた。
なんで?
有害物質が体に入っているということ?

絵の具は、色彩の原料に重金属(有害)が使われているものもあり、
注意が必要とある。

・カドミウム(イエロー、レッドなど)
 ■カドミウムグリーン■

・クロム(イエロー、グリーンなど)
 ■クロムイエロー■
 ■クロムグリーン■

・コバルト(グリーン、ブルーなど)
 ■コバルトグリーン■
 ■コバルトブルー■

・水銀(バーミリオンなど)
 ■バーミリオン(水銀系)■

・バリウム系(レモンイエローなど)
 ■レモンイエロー(バリウム系)■

鉛系(シルバーホワイトなど)
 ■シルバーホワイト(鉛系)■

例えば鉛、鉛はカルシウムなど体に必要なミネラルの働きをさまたげ、
神経にまで影響を及ぼしてしまう。

”ゴッホ”は精神的にも追い詰められ、悲しい最後を遂げた作家ではあるが、
栄養学という視点からとらえると、絵筆をなめて絵を描いたので、
精神障害に陥ったという考えも否定できない。

”ルノワール”は晩年リウマチを患い、
手に絵筆を巻き付けて絵を描いたと言う話を耳するが、
そんな彼も絵筆をなめていたという。

アルミはアルツハイマーの原因の1つとも言われるなど、
有害金属の害が指摘されている昨今。
デトックスという言葉が流行するのも分かる。
栄養をつけると同時に解毒も必要ということだ。
身近に言えば、食物繊維をしっかりとり
排泄を習慣化しておく事が大切か。(これ余談)

アーモンドの花

ゴッホの花の絵だけを集めたポスター。
ひまわりに代表されるあの勢い余った筆のタッチ。
風のそよそよと吹かれ、果てしなく続く感じの線の流れ。
そんな雰囲気の作品が並ぶ中、
違った感じの作品がポスターの一番下、左端にあった。
”アーモンドの花”

アーモンドの花

青い空色をバックに木の枝がのびのびと描かれている。
その所々にかわいい花が咲いている。
私は本物のアーモンドの木を見たことないが、
その絵は桜の花が控えめに咲いているようなイメージを受ける。
いつもの激しさとは異なった、本当に穏やかで暖かみのある作品。
自分をいつも支えてくれ、一番の理解者だった弟テオ。
そのテオに子供が生まれると知って描いたのが
”アーモンドの花”だったのだ。

炎のように激しく燃えた作家ゴッホ。
でもこの作品からそれは感じ取れない。
一枚の絵に託された思いは?喜び、希望。
作品を思い浮かべるたびに、ホッと安心する自分が存在する。

いつか訪れて見たいゴッホの美術館