クラインブルー

ある日、一ノ宮氏の個展に行った。
日韓現代美術展に出品された作品興味をおぼえたこと。
とある美術館で個展案内のはがきを見つけたこと。

ストライプを基調にした作品は一見無味乾燥の様だが
色の組み合わせにより意外なおもしろさに気づく。
さらに同じサイズのキャンバスを例えば4つ横に並べたら?
四角形になるように並べたら?
ストライプ模様の正方形と
別の色のストライプ模様の正方形のキャンバスを
それぞれ正三角形に分割して、
出来上がった4つのパーツを風車のように並べたら?
一体どういう印象を受けるのか?
想像力をかき立てる作品だった。
3つの曲線シャープな切り口・フォンタナの作品が頭をよぎる。
一ノ宮氏のブルーの作品 なんだかイブ・クライン
こちらは沈黙のまま絵を眺める。

横にいた娘が作家になにやら話し始めた。
それがきっかけでこちらも堰を切ったようしゃべり出した。
”あの色 クラインブルーですよ。わかりますか?”
”具象画も以前は描いていたのですが今は抽象画なんです。”
抽象画?受け入れにくいもの。これが世の中の風潮なのか。
作家の控えめな口調がそれを物語っているようでしょうがなかった。
抽象画は単純でわかりやすいのになー。(私個人の考え)
それにしてもこの作家は現代アートが好きなんだろうなー。
ジャン・ミッシェル・バスキア、ジャスパー・ジョーンズ次々話題に上る。

”絵を描かれるのですか。”
”描けないから見に来るんです。”

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