祈りたくなる、不思議な顔

何の変哲もない無機質なデジタルアートととるかもしれない。
どちらも同じ顔。でも違う。
片方は三つ編み、もう片方はイヤリングをつけたショートヘアー。
しかし、それらはちょっと間をおいて描かれており、
二つの顔を同時に集中して見るのはむずかしい。

左を見れば右が弱く、右を見れば左が弱く見える。
これを何とか解消したい!
頭の中で二つ同時に視界に入れて比較を試みるが、至難の技。
その距離を作為的に縮めるのは不可能だと気づく。なぜ?
(左・右それぞれの顔をゆっくり見た後、全体を見渡す。
これを何度か繰り返してたどり着くのが、創造の世界。)

子供から少女へ、または少女から女性へ、
現在から未来へ成長もしくは成長するだろう過程を表現しているとすれば
顔と顔とのスペース(距離)は?
時間の経過を意味するものであり、縮められるはずもない。
面白い作品にであった!!!

威風堂々。
時間をかけて・・・ずう~と眺めて欲しい。
素敵なメッセージを発してくれているような感じがしてくる。
その顔はまるで仏さま。
あやちゃんが14か15歳くらいの作品だそうだ。
絵の解釈はこちらの見方・感じ方でいかようにでも変わる。
その時々によっても。

このところ、彼女のはがきサイズの作品と
一冊のハードカバーの本を毎日持ち歩いている。
柳澤桂子著・堀文子画『生きて死ぬ智慧』。
好きなページを開き、その上に作品を置いて眺めている。
開いたページを額縁とみたててのことだが、
電車やバス・公園のベンチ・喫茶店のテーブル、
どこでも鑑賞できるのがいい。
ちょっとした、私だけの、手作り美術館。

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